ビンチェーロというと、なんだか おしゃれなイタリアンレストランのようですね。
確かに これはイタリア語です。
その意味は「勝利する」です。
店主が7年間、保護を目指して関わっていながらも、ついに目的を果たすことなく、自らを野に葬ったと思われる ある野犬につけた名前です。
自然の脅威、人の無情に負けず、病気、事故、悪意に遭うことなく守られ、不遇を克服してついには勝利するという悲願をこめた名前です。
プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の名曲「誰も寝てはならぬ」の副題となっているあの「VINCERO」です。
野犬と言えども、知的な光をたたえた目と、哀愁を帯びた姿には、人を惹きつけるものがありました。
出没する地域住民の愛護心篤い有志たちに見守られながら7年間を過ごした末に、とうとう老いて力尽きたと思われます。
彼を保護できなかった無念と、見守りながら支え続けた仲間と共に頑張ってきた日々を顧みると、彼のような野犬を作ってはならない、そもそも野犬などというものは人が無責任な飼育放棄によって作り出したものだという悲しい認識が、適正飼養の啓発を加速化しなければとの使命感に変わっていきました。
不幸な野犬を無くすことイコール 病気、怪我、事故、犯罪、災害などの危険から全力で守りきるという意識を持つ飼い主さんを増やすことに他なりません。
あの野犬ビンチェロは 店主の私に それを懇願しているかのように象徴的な存在でした。
犬と猫は 人によって守られていなければならない
飼い主は命の責任者として 彼らを野犬野良猫にさせてはならない
この思いを店名に反映させ、多くの飼い主さんに、そして、飼い主になる予定の方に、愛犬愛猫を守るための道しるべとして発信することにより、野に消えた野犬ビンチェロの遺言が未来に活かされるようにと願っております。
ビンチェロが 今度生まれ変わったら その幸福が長く続くようにと長音記号を加えてビンチェーロとしました。
ビンチェーロは、愛犬愛猫が、飼い主さんに最後まで守ってもらえるための情報を提供できる店であるようにと この名前そのものを原点としております。